9/13 簾舞まち連歴史文化部会主催「人生100年時代を生き抜く知恵」についての文化講演会開催

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9月13日(土)3連休の初日、簾舞地区まちづくり連合会歴史文化部会の主催で、
元STVのアナウンサーで現在、フリーアナウンサーの堺なおこさんを講師に迎えて文化講演会を開催しました。
堺なおこさんは現在、STVラジオで日曜朝9時15分からオンエアされている「堺なおこの人生100年時代の処方箋」のパーソナリティを担当しています。
人生100年といわれる昨今、同番組ではリスナーからの様々な問いなどに対応するため、「今朝の達人」として介護や医療関係者、その他、その道の専門家等とのやりとりを通して、最後まで自分らしく生きていくためのQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を高め、かつ健やかに生き抜くための処方箋を明るくわかりやすく伝えてくれています。
今回の講演会では、(1)ラジオで知る人生100年時代を生き抜くための知恵、(2)5歳若返る?声の出し方・話し方、(3)夫婦円満のコミュニケーションの秘訣、という3つのテーマで、わかりやすく、そして楽しく、お話していただきました。
STVの局アナ時代に出会った日高晤郎さんを始めとする5人の「STVラジオの達人」に
ついてのお話しから始まり、ラジオ「人生100年時代の処方箋」での介護の達人、西区のグループホーム「喜望蓬」池田美知子会長、遺言と相続の達人の一般社団法人「シニア相続サポート」板垣隆代表 理事、そして脳と心臓の達人としての「医翔会 札幌白石記念病院医療チーム」の皆さん方とのやりとりからピックアップしてのお話しがありました。
その中で印象に残ったお話しとしては、まず、介護の達人の池田さんからのお話しです。
令和7年(2025)には団塊世代が後期高齢者となり、国民5人に一人が75歳以上、3人に一人が65歳以上となり、65歳以上の5人に一人が認知症になるといわれるなかで様々な社会問題が生ずるという「2025年問題」に関連して、女性が一番なりたくないのが認知症であって、その認知症の方へやってはいけない3つのロックがあること。それは、言葉の拘束というスピーチロック、投薬による拘束のドラッグロック、そして身体的な拘束のフィジカルロックで、特に高齢者が自分の思いで言ってみたり動こうとする言動を言葉で拘束するスピーチロックは知らず知らずにやっている可能性があること。介護している人に対して気持ちに余裕がなくなるとついつい、「ちょっと待って!」、「ダメだって言ってるでしょ」、「早くして!」、「さっきも言ったじゃない!」といい、ウロウロ動き回る時には「いいから座ってて!」等と言っていることがある。そうした言い方だと認知症になっても感情は残っているので逆効果になる。なので、「もう少し待っててくれると助かるんだけど」、「えっ、それでどうなったの?」と次の話に促したり、別の話にすり替えて繰り返しを防ぐとか、「どこに行きたいの?私も行くから待っていて」といい替えることで気分が和らげられる、といったお話し。
次は遺言と相続の達人、板垣さんのお話についてで、遺言は「家族への最後の思いやり」ということでの相続に係るお話しでした。
私が読んだ、講演会後の10月11日の北海道新聞朝刊の生活・くらし面の記事  「遺言書『まだ』と言わず準備を」の中でも、「相続」を「争続」にしないための「遺言書」とそれに必要不可欠な3つの要件「作成年月日」、「氏名、押印」、「内容明確に」について書かれていました。自分の周りでも、相続に連れ合いが介入したためこじれたという話を聞いたことがあります。確かに「最後の思いやり」だと思いました。
そして医療の達人、札幌白石記念病院医療チームからのお話しとしての脳卒中を早期発見するための「F・A・S・T」(ファスト)についてのお話もありました。
FはFaceで顔がゆがんでいるなどの「顔のまひ」。AはArmで両腕をあげたときに片方があがらない、動かないなどの「腕のまひ」。SはSpeechで言葉がでない、ろれつが回らないなどの「言葉の障害」で、これらのうち一つでも該当すれば脳卒中の可能性があるので、症状に気づいたらTのTime、急いで救急車を手配する、という「F・A・S・T」を覚えておくとよいとのことでした。
さらにアナウンサーとしての経験を踏まえた上での「5歳若返る声の出し方」についてもお話しがありました。
55歳を過ぎると声帯が衰えるので55歳を過ぎたら自分の声を少し意識してみるとよいとのことでした。聖路加国際病院名誉院長の日野原 重明先生によると、人間の耳に届く声で心地よく響くのは「ラ」の音だそうです。時報の音もオーケストラの音合わせの音もラ音で基本の音だそうです。なので相手への声かけ時も少し高めの声ですると相手に心地よく響くそうです。そして「こんにちは」も2音目の「ん」を少し音を上げるとよいそう。会話でも自分の持っている声よりちょっと高めの声で抑揚をつけて話すと身体にもいいし夫婦円満にもなるそうです。
続いて、特に印象に残ったコミュニケーションに係る話では、目から入ってくる印象、いわゆる第一印象が55%、耳からの印象が38%,話の内容からが7%という「メラビアンの法則」によるお話しで、93%を占める目・耳からの印象がよくないと誰も心を開いてくれないので、見た目が大事ですよとのこと。なんと若い人たちは目からの印象が95%だそうで、ご高齢になって若い方と交流する際には見た目にも気を配ってくださいということでした。
他にも人間が持つ①生存の欲求②安全の欲求③愛と所属の欲求④承認の欲求⑤自己実現の欲求というマズローの「欲求5段階説」に関わってのお話しで、家庭に例えると、結婚して家族をもってとりあえず愛と所属の欲求を満たしたものの、その中に認められたい、居場所がほしい、大切にされたいという欲求があって、その自我の欲求が満たされて初めて自己実現に向かうことができる。 人間は誰でも自己実現に向かって成長する生き物ですが、それらが満たされて家族のために頑張れるということでした。今の世の中は自我の欲求とか愛と所属の欲求を満たしてあげることなく相手に答えを求めていませんか?ここを満たしてあげないとお父さんも頑張れないしお母さんも幸せになれない、というお話しでした。
その後にコミュニケーションの達人、幸福になるためのちょっとしたワークショップを参加者全員で行いました。
参加者が二人でペアとなって、1分間、一人が一生懸命にめげずに話をする、その間、もう一人は腕と足を組み、下を向いて相づちは打たずに話を聞く。次に立場を変えて行う。次は相手の話を相手の目を見、相づちをうち、耳を傾け全身全霊でひたすら聞く。立場を替えて行う。このやりとりで参加者は相手に対する気持ちが大きく変わること、承認、傾聴によって意識が変わることを理解できました。
堺さん曰く、認めるとは言うことを忍ぶこと。今の作業で相手の言いたいことをきけた、思いを聞けた。そしてそのことで相手は承認された、嬉しくなった、気分が前向きになった、やる気が出てきた、という思いを持てて自己実現へ向かえる。
相手の話を真剣に聞くことで相手に自信やエネルギーを与えることができる、ということでした。
ということで、お話し全般が非常に判りやすく、有意義かつ楽しくすばらしい時間を持つことができました。

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